子ども達と接することがある人なら「信頼関係」というものを大切にしてきたのではないでしょうか?
しかし、信頼関係とはどんなものかを言語化しようとするとを難しく感じる人はいるのではないでしょうか?
そこで本記事では、「信頼関係という言葉の言語化」や「信頼関係を作る上で大切にしていきたい大人のふるまい」を整理しています。
支援する際は「まずは信頼関係」と言うけれど
不登校支援に携わったことがある方なら、聞いたことがあるだろう一言があります。
それは、「まずは信頼関係から」という言葉です。
ここで考えることは、その”信頼関係”とは一体どういうものかということです。
仲が良いこと? たくさん話せること? それとも、笑顔が増えること?
もちろんそれらも大切ですが、本質はもう少し違うところにあります。
信頼関係を作る上では、「相手のことが好き」かどうかではなく、「子どもが大人の行動や言動を予測できるかどうか」ということにかかってきています。
こうした「AをしたときにはBをしてくれるだろう」という考えの積み重ねが信頼関係の基本であり、それが自分に合っていた場合に信頼感関係というものがつくられていきます。
信頼は“好き”ではなく“一貫性”
そこで、信頼関係を作る上で「一貫性」が大切なポイントになっていきます。
不登校を含む、精神的に疲労してきた人というのは、自分にとっても予想できなかったことが積み重なることによって、疲弊してきたということができるでしょう。
例を挙げるなら以下のようなものが考えられます。
- 良いことをしたのに怒られた(本当は褒められるはずなのに)
- 相手が何を考えているか分からない(自分の予想が通じない)
- いきなり嫌なことを言われた(予定もないことで、傷つけられた)
このように、自分が考えていたものと異なる結果が表れてくると、それはその人物に対する予測が困難となり、それが積み重なることで信頼関係が崩れていくのです。
つまり、子どもとの信頼関係を作っていくためには、「子どもが正しい認識ができる状態にあるか」、そして「子どもに合った関わり方をしているか」ということが問題となってくるでしょう。
一度、大人に対する不信感を抱いた子どもは、胸中でこのように考えることがあります。
- この大人は急に怒らないだろうか
- 今までは優しかったけど、失敗したら見放されないだろうか
- 今までと言っていることは変わらないだろうか
つまり信頼とは、「相手が安心できる人物であること」と「予測できる人物であること」が鍵になってくるのです。
例えばの話、大人でもこのような人は信頼できませんよね。
昨日資料を見せたときは「Aの方法でしなさい」といったのに、今日になったら「なんでこんな方法でしたんだ」と話をしてくる上司。
「いやいや、あなたが言ったんでしょう」と話したら「そんなこと言ってない(もしくは、言ったっけ?)」と言うところまでがセットでしょうか。
こうなると、大人でも相手へ不信感を抱くことは間違いありません。
子どもも同じように、先生や親、周りの大人の「安心できる人柄が伝わり」、「一貫した態度をとり続けてくれる」ことが信頼感へとつながるのです。
このような基本を押さえていても、不登校の児童生徒に対する場合には、特に気を付けないといけないことがあります。
信頼を作る上で大切にしたいこと
信頼関係を作る上でほかにも大切なポイントがあります。
受け止めてもらえる感覚
不登校の子どもたちが、安心するためには、以下のようなことが必要だと言われています。
- 否定されないこと
- 気持ちを分かろうとしてもらえること
- 大人が無理をしていないこと
ここでの否定についてですが、「何でもOK」というわけではありません。
子どもがよくない行動をした時には、注意・指導することが必要です。
しかし、その際には「あなたの存在そのものは否定しない」という姿勢を忘れてはいけません。
言葉や雰囲気に「あなたはダメな人間だ」「不登校なんて恥ずかしい」というメッセージが含まれてると、子どもとの信頼関係は一気に崩れていくことになります。
子どもに選択肢を与えること
大人が「どうやって信頼してもらおうか」と考えること自体が、実は落とし穴になる可能性があります。
子どものみならず、人間には「自分の行動を自分で決めたい」という強い欲求があります。
大人が「信頼させよう」「思い通りにさせよう」とコントロールしようとすると、子供は「操られている」と感じたり、「大人はうるさい」と反発したりしがちです。
そこで「信じてもらう」ことを目標にするのではなく、大人が「信じて待つ」という姿勢を示すことが、結果として子どもから信頼を得ることに繋がっていきます。
「楽しい話」を信頼の架け橋にする
学校の話や将来の話ではなく、子どもが今「興味を持っていること」や「好きなこと」を共有することも一つの方法です。
子どもは「楽しい話をすると、元気だと思われて学校に行かされるのではないか」という不安を抱えている場合があります。
そのため、好きなものを中心に話しつつも「何を話しても学校に結びつけられない」という安心感を積み重ねることで信頼関係の土台作りへとつながっていくと考えられます。
子どもは自分の弱音や本音を話せるようになるためには、「何を言っても大丈夫なんだ」という思いを持つことが大切ですので、信頼を築くためにまずは子どものことを知り、自分のことを子どもに伝えることから始めるとよいでしょう。
親子の信頼が崩れるとき
先ほども少し話しましたが、それに加えて信頼が崩れる方法についても話をしましょう。
よくある崩れ方は次の三つです。
動かそうとしすぎる
「このままでいいの?」「みんな頑張っているよ、一緒に頑張ろう」
子どもへの単純な疑問や、励ましのつもりが、子どもにとってプレッシャーになることもあります。
そして、この発言の原因は、主に親が持つ”焦り”から生じることがほとんどです。
ですが、この大人が持つ”焦り”は必ず子どもに伝わります。
過干渉
「次はこうしなさい」「今日はこうするよ」
大人がすべてを先回りして決めてしまう。
これでは、子どもは「自分では決められない」と感じてしまいます。
それが積み重なると、自分で決められないことに対する自己嫌悪、そして大人に支配されているという息苦しさなどを感じることに繋がります。
無関心
「だから何?」「自分で考えなさい」
など、子どもに寄り添った関わりが少なすぎると、安心感が育ちません。
これは不登校に限らず、近年ではスマートフォンを見ている大人が多くなった関係か、安心感や愛着が不足している子どもの姿も増えてきているように感じます。
大人へのケア
上記のような信頼関係が崩れる原因として、子どもを支える保護者の方が、焦りや不安でボロボロになってしまっているケースがあります。
実際に子どもが不登校で不安、これからどうしたらいいかわからない、仕事へ差し障り、将来への不安など、ストレスが大きいでしょう。
そこで大切なのが、「大人もサポートを受けること」です。
子どもを支えていく中でなかなか結果が出ず、それによって慢性的なストレスを抱えがちな大人ですが、学校やスクールカウンセラー、親戚、友人など、色々なサポートを受けることで楽になることがあります。
子どもは大人の顔色に敏感ですので、ストレスが溜まっている状態を察し、「私が、学校に行けていないから…」と子どもまでストレスを感じてしまうことがあります。
そのため、大人が心に余裕を持ち、子どもに接することができるようにすることもまた大切です。
「見守る」という積極的な支援
何もしないことと、信じて見守ることは異なります。
不登校の解決に向かうためにも、信頼関係をつくるためにも、まずは子どもが自分で課題を乗り越える力を信じることが重要ではないでしょうか。
なぜなら、不登校のみならず、人生における課題は最終的には「子ども自身の課題」であり、本人が「自分で変わっていきたい」という思いがないと解決できないものが多いからです。
そのため、子どもの気持ちを尊重しつつ、待つということが必要だと考えます。
イメージでいうと、遠足の際に大人が先導したり、子どもの荷物を全部持ったりせず、隣を歩いたり、一歩後ろから見守るような、子どもが主体となるスタンスでしょうか。
子どもがなかなか変わらなくても、結果が出なくても態度は変わらない。
大人が子どものありのままを認めてあげること、それが積み重なっていくことで子どもは自分から変わっていこうとするエネルギーを蓄えることができるのです。
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