不登校だった私が「馬」に救われた驚きの理由:人生を変えるホースセラピーの真実

不登校

不登校というトンネルの中にいるとき、世界はあまりにも狭く、息苦しい場所に見えます。ライフスタイル・コラムニストとして多くの相談を受けてきましたが、今回ご紹介する絹颯 舞矢(きぬはやて まや)さんがかつて抱えていた孤独は、とりわけ深いものでした。

学校に行けない、声が出ない……閉ざされた世界に射した光

中学校時代、部活動での人間関係から不登校になった彼女。当時の彼女は、今より体重が20kg重かったことへの強いコンプレックスと、思ったことが口から出ない吃音(きつおん)のような症状に苦しんでいました。言葉が詰まり、沈黙が続くたびに「相手に迷惑をかけているのではないか」と自分を責める日々。居場所を失った彼女の唯一の避難所は、アメリカで野生動物保護に携わる叔母からの、ある突拍子もない一言でした。

「とりあえず、馬に乗ってみなよ」

この偶然の提案が、絶望の淵にいた彼女を、誰も予想しなかった「再生の物語」へと連れ出すことになったのです。

「頑張らない」ほうがうまくいく? 乗馬が教えてくれた逆転の発想

私たちは幼い頃から「頑張ること」を美徳と教わります。しかし、馬の世界ではその常識が鮮やかに覆されます。舞矢さんが馬の上で学んだのは、「リラックスすることの重要性」でした。

人間関係において、私たちは自分を律し、相手に合わせようと肩に力を入れがちです。しかし、馬は人間の緊張を驚くほど敏感に察知します。命綱もシートベルトもない、地上1.5メートル以上の高い場所。恐怖から体が強張れば、馬にその不安が伝わり、対話は途絶えてしまいます。彼女は自身の体験をこう振り返ります。

「頑張っちゃいけないんでしょうね。頑張れば頑張るほど体が硬くなっちゃってついていけなくなるんですよね。だから体を楽にして、ゆったりゆったりついていくことが乗馬の真髄」

どんなに困難な状況でも冷静さを保ち、余計な力を抜く。このプロセスは、現代で言うところの「マインドフルネス」の極致です。常に「頑張らなければ」と自分を追い詰めていた彼女にとって、力を抜くことが正解であるという教えは、心を縛っていた呪縛を解く鍵となりました。

言葉はいらない。非言語コミュニケーションがもたらす自己肯定感

「言いたいことが口から出ない」苦しみの中にいた彼女にとって、馬との出会いが決定的な救いとなった理由は、馬が言葉を必要としない生き物だったからです。

馬は、言葉の意味ではなく、人間の姿勢や感情を読み取ります。舞矢さんがまだ上手く指示を出せず、混乱していたときのことです。一頭の馬が突然ピタリと止まり、首をグイッと後ろに曲げて、「お前、本当は何がしたいんだ?」と言いたげな目でじっと彼女を見つめてきたことがありました。

言葉を超えた、魂と魂のぶつかり合い。耳を絞って(後ろに寝かせて)怒りを伝えたり、耳を立てて注目したり、前足で地面を叩いて催促したり。そんな馬たちの純粋なリアクションに応えていくうちに、彼女の中に「言葉を使わなくても、私は世界と繋がれる」という確かな自信が芽生えていきました。

姿勢が変われば、心が変わる。ホースセラピーの意外な身体的効果

ホースセラピーがもたらす変化は、精神面だけではありません。舞矢さんは、馬に乗ることで強制的に「姿勢を正す筋肉」が鍛えられたことが、メンタルの安定に大きく寄与したと分析しています。

自信がないときは、どうしても背中が丸まり、視線が下がります。しかし、馬の上でバランスを保つには、体幹を使い、背筋をピンと伸ばさなければなりません。ここで、彼女が習得した乗馬のステップを整理してみましょう。

  • 波足(なみあし):馬がリラックスして歩く、ゆったりとした四拍子の歩法。
  • 速歩(はやあし):少しスピードを上げた二拍子のリズム。舞矢氏曰く「リズムゲーム」のように馬の動きに体を合わせる訓練になります。
  • 駈歩(かけあし):さらにスピードに乗った三拍子の走行。
  • ドレッサージ(馬場馬術):馬の正確なステップや図形を描く技術を競う競技。彼女はこれを**「馬のフィギュアスケート」**と表現しています。

姿勢を正し、高い視点から世界を見渡す。この物理的な変化が、内面にも「凛とした強さ」をもたらしました。驚くべきことに、乗馬を続けるうちに体重も減り、外見へのコンプレックスまでもが解消されていったのです。

「おじいちゃん・おばあちゃんパワー」が沈黙を破った

彼女の心を癒やしたのは、馬だけではありませんでした。乗馬クラブに集まる人々の存在、特に「おじいちゃん・おばあちゃんパワー」が、彼女の沈黙を優しく解きほぐしました。

学校や都会のスピード感に馴染めなかった彼女にとって、田舎の乗馬クラブに流れる時間は、まさに救いでした。高齢の方々は、彼女が言葉に詰まっても急かすことなく、「今日も来たの?」「馬が好きなんだね」と、屈託のない笑顔で何度も話しかけてくれました。

相手の温かさに包まれ、「上手く喋らなくていいんだ」と思えたとき、あんなに苦しかった言葉が自然と溢れ出しました。「田舎の時間軸」でのコミュニケーションが、彼女の社会復帰に向けた最高のリハビリテーションとなったのです。

家族全員が「馬乗り」に? 1人の変化が周囲を巻き込む力

舞矢氏の変化は、周囲をも劇的に変えていきました。当初、高額な費用もかかる乗馬には反対していた両親でしたが、娘が初めて見せた「これをやりたい」という真剣な情熱に動かされ、最後は応援へと回りました。

そして物語は、驚きの展開を迎えます。生き生きと輝く娘の姿を見て、まずは母親が乗馬を始め、続いて父親までもが「馬乗りデビュー」を果たしたのです。さらには妹までもが現在、馬のケアについて専門的に学んでいます。

一人の少女が「自分の居場所」を見つけたことで、家族全員が馬を共通言語とする「馬一家」へと変貌したのです。自分が変わり、情熱を持って生きる姿は、最も身近な人々をポジティブに巻き込む力がある。彼女の体験は、そのことを雄弁に物語っています。

あなたの「普通」は、どこか別の場所にあるかもしれない

現在、大学で馬術部に所属しながら、ホースセラピーの重要性を論理的に伝える活動をしている舞矢氏。彼女は、かつての自分のように苦しんでいる人々へ向けて、力強いメッセージを送っています。

「普通にできることが、社会で求められるすべてではない」

ホースセラピーの世界では、言葉が達者であることよりも、相手の機微を感じ取れることや、責任を持って命と向き合えることが高く評価されます。馬と心を通わせる経験を持つ人は、「コミュニケーションの真髄を知る優秀な人材」として、社会からも必要とされるのです。

もし今、あなたが「普通」の枠に収まれず、暗闇の中にいるのなら、どうか諦めないでください。学校や職場という狭いフィールドで輝けなくても、あなたが自分らしく羽ばたける場所は、必ず別のどこかに存在します。

勇気を出して、今の場所とは違う「新しいフィールド」を探してみませんか? そこには、言葉を超えた温もりが、そしてあなたを待っている「一頭の馬」がいるかもしれません。

さらに詳しく知りたい方へ

また動画の内容についてAIがまとめたレポートを添付いたします。
不登校支援の一例としてご活用ください。

ハートスクール関連リンク

Youtubeチャンネル:https://www.youtube.com/channel/UCyuaHCKbEC6Up9dxXW_jlhQ

Xアカウント:https://x.com/Heart_School_24

ハートスクールDiscordに参加をご希望の「専門家」および、「不登校経験者」の方は、上記Xアカウント、もしくは本HPの代表プロフィールより参加希望のメッセージをいただけたらと思います。

関係リンク

リコペマ様「きもちキャラメーカー」:https://picrew.me/ja/image_make

絹颯 舞矢さん
youtube:https://www.youtube.com/@Maya_chan_dayo
X:https://x.com/maya_kinuhayate

コメント

タイトルとURLをコピーしました