子どもの可能性を信じ抜くために。「導師真ショウ」さんに学ぶ、不登校支援とコーチングの本質

福祉

不登校支援コミュニティ「ハートスクール」の副代表も務める導師真ショウさんは、10年以上のスポーツ指導歴を持つベテランコーチであり、国家資格キャリアコンサルタントでもあります。彼の支援スタイルの根底にあるのは、「人の可能性を最大限に発揮させる」という揺るぎないテーマです。

インタビューから見えてきた、保護者や教員が明日から意識できる「視点」を紐解いていきましょう。

「不登校」というラベルを剥がし、一人の人間として向き合う

導師真ショウさんが最も大切にしている価値観の一つが「多様性」です。そのルーツは、大学時代の南アフリカ研究や、青年海外協力隊として現地で過ごした2年間にあります。

「黒人はこうだ」「白人はこうだ」というステレオタイプが通用しない多様な環境で彼が学んだのは、「結局は、国籍も年齢も関係なく、一人ひとりが異なる考えや価値観を持つ人間である」という極めてシンプルな事実でした。

この視点は、不登校支援にも直結しています。

「不登校にはこうすればいい」という万能薬のような考え方がすごく嫌いです。1人ひとりに合わせたやり方があるし、支援の仕方がある。

「不登校の子だから」「デリケートな子だから」と決めつけるのではなく、目の前にいるその子が何を感じ、何を大切にしているのか。ラベルを剥がした先にある「個」を見つめることが、支援の第一歩となります。

徹底した「観察」から最適解を導き出す

導師真ショウさんは、支援の手法を「足ツボマッサージ」に例えています。ツボを押し、相手が痛がるのか、気持ちいいのか、どこが凝っているのかを探るように、対話を通じて相手を徹底的に観察します。

観察のポイントとして挙げられているのは、以下のような微細なサインです。

  • 言葉尻や表情の変化
  • 手の動きや声のトーンの大小
  • チャットの返信の有無や、話題による熱量の違い

例えば、あるゲームの話をしている時にだけ「熱量」が上がるなら、そこにその子の「喜びの源泉」や「自己効力感」の種があるかもしれません。支援者は、自分の正解を押し付けるのではなく、「このアプローチ(薬)を入れたら、どう反応するか?」という実験のような試行錯誤を繰り返しながら、その子にとっての最適解を一緒に探していく姿勢が求められます。

「ネガティブ」を成長のエンジンに変える

多くの支援者は「前向きでいなければならない」と思いがちですが、導師真ショウさんは意外にも「自分はネガティブである」と語ります。

彼にとってのネガティブさとは、「現状の支援や自分自身の在り方を疑い続ける力」です。

「これ教えとけばいいよね」というのを、「本当?それで合ってると思ってるの?」と自分に対して厳しく問い続ける。

この「自分を疑う」姿勢があるからこそ、支援が形骸化せず、常により良い方法を模索し続けることができます。保護者や教員の皆様も、「自分のやり方は間違っているのではないか」と不安になることがあるかもしれません。しかし、その不安こそが、子どもをより深く理解しようとするモチベーション(成長のエンジン)になり得るのです。

「今の自分を認めつつも、さらなる改善を否定しない」。このバランスが、支援者のメンタルヘルスと専門性の向上を両立させます。

AI時代だからこそ求められる「人間としての決断」

テクノロジーが進化し、AIが適切なアドバイスや理論を提供できる時代において、人間の支援者の役割は何でしょうか。真ショウさんは、「最後に決めること、選択すること」こそが人間の領域であると指摘します。

AIは過去のデータから「効率的な正解」を提示してくれますが、人生の重要な局面で「何を選ぶか」という意志決定には、その人の価値観が伴います。

「無限に選択したり判断したりすることを手放しちゃうと、それは生きてないことなんじゃないか」

支援者の役割は、AIのように正論を振りかざすことではなく、子どもが「自分で自分の人生を選択できる」ように寄り添い、背中を押すことにあります。非言語的な空気感を感じ取り、相手の懐に深く入り込む。そんな「人間臭い関わり」が、これからの時代ますます重要になります。

支援者の心得:「諦めたら、そこで終わり」

インタビューの最後に、導師真ショウさんは支援者へのメッセージとして、自身を律する「呪い」とも呼べる強い言葉を贈ってくれました。

「指導者や支援者が諦めたら終わりだよ」

支援の現場では、どうしても上手くいかないこと、相手と合わないこと、投げ出したくなる瞬間があります。しかし、支援者が考えることをやめ、向き合うことを諦めてしまえば、その子へのサポートの道はそこで閉ざされてしまいます。

もちろん、一人で抱え込む必要はありません。

  • 自分の手で解決できないなら、他の専門家につなぐ。
  • 周囲の助けを借りながら、粘り強く方法を探し続ける。

「諦めない」とは、一人で頑張り続けることではなく、「その子の人生を良くするための可能性を探し続けること」を指します。その執念こそが、子どもにとっての最後の砦となるのです。

おわりに

導師真ショウさんのアプローチは、常に「人間とはどういう生き物か」「何がその人にとっての『良い人生』なのか」という根源的な問いに立ち返っています。

不登校という状況は、人生という長いスパンで見れば一つの通過点に過ぎません。短期的な解決(登校)だけを追うのではなく、長期的な視点を持って、その子が自分らしく、自分の足で歩んでいけるようサポートすること。

「本当にこれでいいのか?」と自問自答しながら、目の前の一人を徹底的に観察し、可能性を信じ続ける。その粘り強い歩みが、子どもたちの未来を切り拓く力になると、導師真ショウさんの言葉は教えてくれています。

共に、粘り強く。子どもたちの「良い人生」を伴走していきましょう。

さらに詳しく知りたい方へ

また動画の内容についてAIがまとめたレポートを添付いたします。
不登校支援の一例としてご活用ください。

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導師真ショウさん
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